着用するだけで、結婚式の着こなしをドレスアップしてくれるベスト。
ベストとはスリーピーススーツのジャケットやパンツと共に着る物で、シャツ(ワイシャツ)と上着の間に着用する中間着のこと。
最近では「クラシック回帰」の流れもあり、昔ながらのスリーピーススーツをきちんと着こなすことが人気になっていたり、結婚式で明るいカラーのベストを着用される方も増えていたりと、目にする機会が増えているのではないでしょうか。
とはいえ、実際に着用することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
そこで本記事では、今までベストに馴染みがなかった方に向けて、ベスト着用のメリットや着こなし方のポイントなどをご紹介します。結婚式でベストに挑戦してみたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
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ベストの基礎知識
ベストとは、スリーピーススーツのジャケット・パンツと共に着る物で、シャツ(ワイシャツ)と上着の間に着用する中間着のことをさします。
最近では「クラシック回帰」の流れで、昔ながらのスリーピーススーツをきちんと着こなすことが人気になっていたり、結婚式で明るいカラーのベストを着用される方も増えて、目にする機会が増えているのではないでしょうか。
とはいえ、着用することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。そのような方にお話を伺うと「着方が分からない」「キメ過ぎに見えそう」といった答えが返ってきます。ですが、ベストの歴史や着用することによるメリットを知れば、そのような考えが変わるでしょう。
ベストの歴史
そもそも昔は、ベストを着ることが当たり前でした。
その歴史は、17世紀のイギリスに遡ります。当時の国王であるチャールズ2世が出した、「衣服改革宣言」によって、服装の統一化を図るために提唱した、ベスト付きのスリーピーススーツが発端とされています。(当時のイギリス王政は財政難であり、倹約のための施策だといわれております)
このスタイルが今でもイギリスの伝統的な着こなしとして継承されており、クラシック回帰で英国風の着こなしがトレンドと言われている今、より一層注目されています。
ベストの国別名称
ベストは国によって呼び方が変わります。
イギリスでは「ウェストコート」と呼ばれており、最初は、袖まである物が一般的でしたが、上着が細身になるにつれて袖なしが広まっていったとされています。
※フランスでも「ベスト」という言葉がありますが、これは袖ありなしに関わらず、ジャケットとシャツに間に着用する中間着のことをさします。
結婚式でベストを着用するメリット3つ
ベストを着たことがない方にとっては、「着ることによって、何が変わるの?」という疑問があるかもしれません。そういった方にも「着た方が良い」と感じてもらえるようなメリットをご紹介します。
結婚式でベストを着用するメリットは主に以下の3つです。
1. 格式高いフォーマルな印象になる
2. スタイルがよく見える
3. 体温調節しやすくなる
それぞれについて解説していきます。
1. 格式高いフォーマルな印象になる
結婚式でベストを着る一番の理由は「ドレスアップ」できることです。
ベストを着るだけで華やかさが増します。スーツ上下のスタイルよりも、ベストを着用したスタイルの方が、より格式高くフォーマルな印象になります。
見慣れた普段のスーツでも、お祝いのカラーであるシルバーグレーの無地のベストを着用するだけで、よりドレスアップした華やかな印象になります。
2. スタイルがよく見える
スタイルがよく見えることも、結婚式でベストを着用する大きなメリットの1つ。特に上着を脱いだ時には、スタイルが見違えるほど変わります。
30歳を過ぎると、お腹回りが気になってくる方もいるかもしれません。ベストを着ることでウエストをしっかりとカバーし、スタイルを良く見せてくれる効果があります。
結婚式で盛り上がって上着を脱いだ時や、クールビズでシャツだけのスタイルになる時も、ベストを着ていれば様になります。
また、スリーピーススタイルで着用した時は目線が上がるため、足がスラッと長く見える効果もあります。
このように体型を補正してくれる役割も果たすベストは、セレモニーのシーンだけでなく、ビジネスの場でも取り入れられることが多くなってきています。
ベストを着用すれば、痩せ型の方はよりスタイリッシュに、ガッチリ型の方は、スマートな印象にできる効果があります。
3. 体温調節しやすくなる
ベストの着用は、見た目だけでなく機能的なメリットもあります。それは、体温調節がしやすくなるということ。
シャツと上着の間にもう一枚着ることで、冬場の防寒対策になります。袖がないため、着脱が容易なこともポイントです。
また季節の変わり目に着ていても違和感がないため、状況(環境)に合わせて、いつでも着用することができるでしょう。
見た目のスマートさに加えて実用的な面も持ち合わせたベストだからこそ、長らく紳士達の間で重宝され、現代でも愛され続けているのかもしれません。
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結婚式で着用するベストの種類
結婚式でベストを着用するメリットについてご紹介しましたが、いざ買うとなるとどの種類のベストを選んで良いのか悩んでしまうかもしれません。
ベストにはさまざまな種類があります。ここからは、種類による印象の違いなどをご紹介していきます。代表的なベストの種類は以下の通りです。
・襟なしシングルベスト
・襟ありシングルベスト
・襟なしダブルベスト
・襟ありダブルベスト
・オッドベスト
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
襟なしシングルベスト
現代の日本で販売されているベストで一番多いのが、シングルの襟なしのタイプです。
スリーピーススーツのベストも、シングル襟なしタイプのデザインが多く、若い方や初めてベストを着用される方にも取り入れやすいデザインです。
襟ありシングルベスト
襟ありのタイプは「ラペルドベスト」と呼ばれ、よりクラシックなイメージで着用できます。襟なしのタイプよりもジャケットを着用した時の印象に近く、よりカッチリとした雰囲気を演出できます。
本来のブリティッシュスタイルのスリーピーススーツは全て襟つきだったため、「クラシック回帰」で英国調の着こなしがトレンドの昨今、復活してきているデザインです。
二次会などでは、ジャケットを脱ぐこともあるかもしれませんが、襟がついているため、ベスト一枚でも様になります。
襟なしダブルベスト
おしゃれを楽しみたいなら、よりシックなイメージでエレガントな「ダブルブレスト」のベストがおすすめです。ダブルブレストとは前身頃の幅が広く重なり、ボタンが二列になっているベストのこと。
新しいフォーマルスタイルを楽しめます。
襟ありダブルベスト
襟ありのダブルベストは、最も重厚でエレガントな着こなしが楽しめるベストです。ブリティッシュテイストを色濃く打ち出した着こなしを楽しみたい方は、ぜひ取り入れてみてください。
ダブルブレストジレのスリーピーススタイルの着こなしといえば、レオナルド・ディカプリオ主演でリメイクされた、2013年の映画「グレート・ギャッツビー」です。
1925年発行の原作小説でも主人公が着用していたブルックスブラザーズが、映画の衣装を手掛けた事でもファッション業界でトピックになりました。今見ても色褪せないカッコ良さがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
オッドベスト
スリーピースが全て同一生地で仕立てられたジャケット、パンツ、ベストの3つから成るものを指すのに対して、オッドベストとは上着とセットになっていない単独のベストのことです。
必ずしもジャケット、パンツと同じ柄・生地で揃えなくてはならないということはありません。スーツ上下(ジャケット、パンツ)に、ベストだけ単品で、全く違う色柄をあえて挟む着こなしも最近では増えています。
結婚式のベストの着こなしポイント
ここまでで、ベストの種類や利便性についてはご理解いただけたかと思います。
ここからは、ベストの着こなし方を学んでいきましょう。
ベストを着たい気持ちはあっても、着こなしのマナーや正しい着用の仕方が分からずに、二の足を踏まれていた方もいるかもしれません。
ここでぜひ次のステップへ踏み出していただけたらと思います。
・アンボタンマナーを意識する
・サスペンダーを活用する
・尾錠ベルトは締めすぎない
・シャツの襟先が出ないようにする
それぞれ1つずつ解説していきます。
アンボタンマナーを意識する
スーツのフロントボタンと同様に、ベストの一番下のボタンも必ずあけて着るのが「アンボタンマナー」です。
この着こなしを定着させたのが、お洒落の達人と呼ばれるボー・ブランメルだったと言われています。
19世紀の初め、イギリスのショージ四世がボタンを掛け忘れてパーティに出席してしまいました。ロンドン社交界で一目置かれる存在だったボー・ブランメルが、殿下に恥をかかせないために自らのベストのボタンも外しました。その着こなしを見たパーティの出席者が、最新の着装マナーだと勘違いし、社交界に広まって現在に至るといいます。
そのような背景を知ると、洋服選びが更に楽しくなりますよね。かつての洒落者の粋なはからいを感じながら、一番下のボタンを外して、颯爽とベストを着こなしてみてください。
また、ベストを着用した際のジャケットのフロントボタンは留めてしまうとせっかくのスタイリッシュなイメージが崩れてしまうので、留めない人が圧倒的に多くなっています。
サスペンダーを活用する
サスペンダーの活用もおすすめです。「サスペンダー(Suspenders)」という呼び名はアメリカ英語で、イギリスでは「ブレイシーズ(braces)」と呼ばれています。
ベストを着ると腰回りのボリュームが出すぎることがあります。これはベストの裾、ベルトのバックル、ネクタイが重なることが原因です。せっかくのスタイリッシュな着こなしが台無しです。
そんな時に活躍してくれるのがサスペンダー。
腰回りがスッキリ見えるだけでなく、ウエスト位置が固定されるためパンツがずり落ちにくい、肩から吊って使用するためクリースが綺麗に見えるなど、多くのメリットがあります。
尾錠ベルトは締めすぎない
背面には尾錠ベルトがついていますが、実はこれはあまり使わない方がいいです。というのも、尾錠ベルトを絞めすぎると生地がヨレてしまう原因となるためです。
尾錠によって多少胴回りを調整することはできますが、尾錠でのサイズ調整をする必要がない、ベストサイズのスーツを選ぶようにしましょう。
シャツの襟先が出ないようにする
シャツの襟先が出ていると、だらしなく見えてしまう可能性があるため要注意。
ウィングカラーやイタリアンカラーなどのフォーマルな衿のシャツを除いて、シャツの衿先はベストの下に入れて隠しましょう。その方がスタイリッシュに見えておすすめです。
結婚式でおすすめのベストコーデ
サイズ選びや着こなし方のポイントについて解説しました。
ここからはベストのコーディネートがわからないという方のために、スーツセレクトでお取り扱いしている結婚式におすすめなベストをご紹介します。
・リバーシブルジレ(ベスト)/グレー×ソリッド&ブラック×ソリッド
・リバーシブルジレ(ベスト)/ブラック&グレー
それぞれの魅力について解説していきます。
リバーシブルジレ(ベスト)/グレー×ソリッド&ブラック×ソリッド
最もシンプルな4つ釦のタイプでVゾーンの面積が広く、初めて着る方でも着こなしやすい、人気のデザインです。
細身のスーツに合わせる際は、スッキリ見えるこちらのタイプがバランスが良いでしょう。
また、グレー×ブラックのリバーシブルのため、様々な着こなしが楽しめるのもポイントです。両面ともに無地のため、他のアイテムとのコーディネートに悩まずにすみます。
披露宴と二次会で、裏表を逆にして着こなすのも良さそうです。
リバーシブルジレ(ベスト)/ブラック&グレー
こちらはよりカッチリとした雰囲気の、5つ釦タイプのリバーシブル・シングルベストです。サイズ展開も豊富で全ての世代の方におすすめです。
ボタンも光沢のあるグレー系で、よりセレモニーらしい雰囲気に仕上がっているのが特徴。こちらもグレー×ブラックのリバーシブルです。
ブラックの面は「濃染加工」が施された深い黒色生地になっています。黒は色が深い程、フォーマルであり品があると見なされます。深い黒である礼服や、フォーマルスーツと合わせて、スリーピーススタイルもお楽しみいただけます。
結婚式用ベストの選び方
最後に、結婚式用ベストの選び方をご紹介します。
・種類
・色
・サイズ
・素材
それぞれについて見ていきましょう。
種類
先述の通り、結婚式用のベストの種類は主に以下の通り。
・襟なしシングルベスト
・襟ありシングルベスト
・襟なしダブルベスト
・襟ありダブルベスト
・オッドベスト
この中でも、特にオーソドックスなスタイルとして初心者向きなのが「襟なしシングルベスト」です。前身頃の幅が広がり、ボタンの数が増えるほどエレガントな印象となるため、さらにおしゃれを楽しみたい場合はダブルベストに挑戦してみるのもおすすめです。
色
結婚式で着用するベストは、スーツと同系色でそろえれば間違いありません。黒・ネイビー・グレーのカラーが定番ですが、中でもおすすめなのはグレーです。
グレーはどんな色のスーツにも合わせやすく、ドレスアップのイメージが強いためフォーマルなシーンにも適しているでしょう。
1つに決められないという場合には、リバーシブルのタイプのベストを選ぶのもおすすめです。
サイズ
ベストを格好良く着用するためには、ジャストサイズである事がとても重要です。
ベストの着丈は、ベルトがちょうど隠れるくらいのバランスが目安となります。シルエットに関しては、体にほどよくフィットする感覚で着るのがポイント。
大きすぎて脇回りが余っていたり、肩周りが浮いてしまっていてはアンバランスな印象を与えてしまいます。また、小さく着すぎて、生地が横に引っ張られるようになってしまうのもNGです。
せっかくのベストスタイルがだらしなく見えないよう、サイズ選びにはこだわりましょう。
素材
ベストの素材は、スーツと同生地を選ぶのが基本です。スーツと同じくニットやコットンの素材はカジュアルな印象のため、結婚式のようなフォーマルシーンには不向きです。
宴会場やレストランなどで行われるカジュアルなウエディングでは着用OKの場合もありますが、式場のドレスコードや雰囲気によっては不適切な場合もあるため注意しましょう。
結婚式用ベストならスーツセレクトがおすすめ!
今回は結婚式で着用するベストについて、着用メリットやベストの種類、着こなし方などを紹介しました。ベストの魅力を知り、少しでも「着てみよう」と思っていただけたら幸いです。
ベストは着るだけでスタイリッシュに見せることができる、男性が身に付けられる数少ないアクセサリーの1つです。
結婚式に参列する場面においては、お祝いの気持ちを表現するにあたって、これほどふさわしいアイテムはありません。結婚式を着こなしで彩ることも、ゲスト参列者の役目だといえます。きっと主役の新郎新婦のお二人も、喜んでくれることでしょう。
今回の記事で、ベストを「着なくても良い」という考えから「着たほうが良い」と感じていただけた方は、ぜひ実践してみてください。一度着てみると、さらにベストの魅力に気付き、仕事でもスリーピースを着てみたくなり、紳士にふさわしい品格ある装いに近づくことができるでしょう。
まずは、実際に店舗へ足を運んで頂き、手に取ってみて気になるベストがあればぜひご試着なさってみてください。
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