結婚式に着るスーツや、ネクタイ、ワイシャツにマナー(ルール)があるように、足元の靴にも、マナー(ルール)があります。
結婚式のために、新しく靴を新調する方もいらっしゃると思います。
お呼ばれされた結婚式、靴選びで失敗しないように、ここでは結婚式に相応しい靴選びについて見ていきましょう。
※SUIT LIBRARYでは結婚式の服装に関する様々なコンテンツ(記事)をご用意しております。
合わせてご覧ください。
結婚式の靴の色の選び方
まずは結婚式での靴の色の選び方から、ご説明させていただきます。
黒が最もフォーマル
現代において、教会式・キリスト教式・神前式・人前式・仏前式と、様々な種類の結婚式があります。
結婚式にゲストで参列される方の服装としては、礼服、ブラックスーツ、ダークスーツなど、ダーク系の色のスーツが一般的です。
その際に合わせる靴の色は、黒がベストであり、結婚式というフォーマルな場に相応しい色であるといえます。
カジュアルな結婚式も増えており、必ずしも靴の色が、黒でなければならないということもないですが、黒がフォーマルシーンの基本の色であるということは、覚えておく必要があります。
ファッションの観点からも、スーツがダーク系である場合、全体のまとまり、統一感をだすためにも、黒が最適であるといえます。
茶色は二次会向き
結婚式では黒の靴がふさわしいとお伝えしましたが、例外もあります。
それはレストランウエディング、ガーデンウエディングなど、比較的ドレスコードが自由な場合において、ネイビースーツやライトトーンのスーツ、またはジャケパンスタイルで出席する時です。
スーツの着こなしに合わせるかたちであれば、靴の色を、茶色や紺色にするなど、黒以外の色も履くことができます。
また、二次会から出席する場合も、茶色の靴を履くことができます。
何故なら、二次会は挙式や披露宴とは違い、明確なドレスコードがないことが多く、新郎新婦も、やや着崩したカジュアルな服装になる傾向が見られるからです。
ホスト側の新郎新婦が着崩している場合においては、ゲスト側も、そこまでかしこまる必要はなく、着こなしの自由度が高まります。
白い靴はNG
インナーに白のワイシャツを着て、白のネクタイをし、色を合わせるために、白の靴を履く…。
一見、オシャレであり、問題なさそうですが、ゲストで結婚式に参列する場合においては、NGです。
白い靴は最も避けるべき色です。
何故なら、白=主役の色だからです。
白い靴は、新郎が白い衣装を着用する時の靴です。
主役と格好が被ってしまうのはNGですので、注意が必要です。
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内羽根が最もフォーマル
一般的にフォーマルシーンで履く靴は、黒の紐靴が良いとされます。
その紐靴は、靴紐(シューレース)を通す部分(レースステイ)のデザインによって、内羽根と外羽根の2種類に分類されます。
内羽根とは(バルモラル)
レースステイが、アッパー(甲)と合わさっている構造になっています。
デザイン的にスマートでドレッシーに見えることから、フォーマル向きなアッパーのデザインといえます。
きちんとした印象から、冠婚葬祭に使えるだけでなく、ビジネスでも愛用される方が多いデザインです。
外羽根とは(ブルーチャー)
レースステイがアッパー(甲)の外側に出ている構造になっています。
作りが頑丈で、履き口が開きやすいため、足入れがしやすいデザインです。
起源が軍靴発祥のため、実用性やスポーティな印象から、カジュアルな靴に使われることが多いデザインです。
以上の説明から、色は黒、デザインは内羽根が、最もフォーマルであるということが、ご理解頂けたかと思います。
結婚式でおすすめな靴のデザイン4選
色やデザイン(構造)の面から、フォーマルに適した靴をご案内させていただきました。
ここからは、結婚式ではどのようなデザインの靴を選べば良いのかを、ご案内させていただきます。
フォーマル度の高い順番に、ご紹介させていただきます。
ストレートチップ
つま先の部分に、横一文字のラインが入ったデザインで、内羽根仕様が一般的です。
最もフォーマルなデザインの革靴です。
(タキシードに合わせるオペラパンプスを除く)
内羽根ではなく、外羽根仕様のストレートチップもあります。
外羽根のストレートチップは、内羽根程フォーマル度は高くありませんが、結婚式(冠婚葬祭)で履いても問題ありません。
コバの張り出しが少ないものほどドレッシーで、フォーマルな印象が強くなります。
ストレートチップはフォーマル度が高く、きちんとした印象を演出できることから、結婚式のみならず、すべてのフォーマルシーン、そしてビジネスシーンで履くことができます。
パンチドキャップトゥ
ストレートチップのトゥの横一文字の部分に、穴飾り(パンチング)が施されたデザインをパンチドキャップトゥといいます。
多少装飾性があるものの、原型は内羽根ストレートチップなので、結婚式のシューズとして、問題なく履くことができます。
プレーントゥ
プレーントゥとはアッパーに装飾がなく、最もシンプルなデザインのシューズです。
プレーントゥも内羽根式が一番フォーマル度が高いといえますが、作るには高度な技術を要し、高額になることが多いこともあり、外羽根タイプのプレーントゥのほうが多く見られます。
ストレートチップに次ぐ、フォーマル度の高いデザインであり、外羽根であっても、結婚式で履くことに問題はありません。
履き口が開くため、甲高傾向のある日本人の足の形にあうデザインといえます。
また足の出しれがしやすいので、靴の脱ぎ履きが多い仕事環境の方にも、オススメです。
本来最もフォーマル度の高いデザインは内羽根のプレーントゥ!?
内羽根のプレーントゥというのは元々貴族が式典の時に履いていた靴に由来します。
対してストレートチップというのは、軍隊がつま先の補強のために革をあてたところに由来する靴です。
貴族が式典に履いていた靴に由来する、内羽根のプレーントゥ。
歴史的背景からは、内羽根のストレートチップと同格ともいえます。
ダブルモンクストラップ
モンクストラップとは、元々修道士が履いていた靴を起源としていて、ストラップで甲を固定するタイプのシューズです。
ダブルモンクストラップは、そのストラップが2本あるデザインのことをさします。
(ストラップが1本のタイプは、シングルモンクストラップと呼ばれます)
1700年代頃には、礼装としてモンクストラップが用いられとこともありますが、最近ではビジネス色が強いデザインといえます。
しかしながらレースアップ(紐靴)以外の中では、最もフォーマル度が高いため、友人・知人の結婚式であれば用いることができます。
結婚式のみならず、ビジネスシーンでのスーツスタイル、ジャケパンスタイルに合わせることもできます。
また休日のオフスタイルに合わせることもできるため、実は最も汎用性が高いともいえるデザインです。
結婚式のお呼ばれでNGな靴は?
ドレスコードが比較的ゆるくなってきている昨今において、結婚式で「絶対にNG」といえるデザインはありません。
しかしながら、格式高い結婚式においては避けた方が無難な靴もあります。ここでは、フォーマルな雰囲気の結婚式で、一般的に履かない方が良いとされているNG靴をご紹介します。
動物の毛皮を使った靴
動物の毛皮を使った靴は、動物の殺生を連想させることがあり、結婚式では不向きなので注意しましょう。
昨今ではドレスコードの縛りもゆるくなり、よほどの場合でなければタブーとされない傾向ではあります。ただし、結婚式によっては幅広い年代の方々が参列する場合もあるため、気になる場合は避けた方が無難でしょう。
具体的にはワニ革などを用いた型押しレザーの靴、毛皮を使った靴などがあげられます。
カジュアルな靴
一般的にカジュアルな印象を与える靴も避けるのがベターです。具体的には、スニーカーやサンダルなどです。結婚式にそういった靴を履いていこうとする方は少ないかもしれませんが、フォーマルな披露宴には向きません。
中にはトレンド感のあるものや、スーツに合わせられるようなおしゃれなデザインのスニーカーなどもありますが、結婚式では避けるようにしましょう。
装飾の多い靴
装飾が多い靴も、フォーマルな結婚式では不向きとされています。
・つま先部分の切り替えがW字になっている「フルブローグ(ウィングチップ)」
・ブローキングが施されている「ブローキングシューズ」
上記のような靴は遊び心のあるデザインが魅力ですが、もともとは労働作業用の靴から生まれたものです。それに加え、派手な装飾が目立つことから、シンプルなデザインのものの方が好ましいとされています。
デザインが相応しくない靴
その他、デザインが相応しくない靴の具体例は以下の通りです。
・ブローキングシューズ
・ローファー
・ブーツ
これらの靴は一見問題ないように思えるかもしれませんが、厳密には結婚式ではNGとされています。その理由について、詳しくご紹介します。
ブローギングシューズ
※左からフルブローグ→セミブローグ→クオーターブローグ
ブローキングとは、革靴表面の水はけを良くするために施された穴飾りのことで、そのブローキングが施されたものをブローグと呼びます。(ブローグはイギリス英語で、米語ではパーフォレーション)
大きく分けて3種類のブローグシューズがあります。
フルブローグ・セミブローグ・クオーターブローグの3種類です。
フルブローグは、別名ウィングチップとも呼ばれる通り、トゥに鳥の翼のようなブローグ(穴飾り)が施されたデザインのシューズです。
セミブローグは、トゥのブローグが横一文字にデザインされたシューズで、フルブローグ、セミブローグともにメダリオン(つま先周辺の穴飾り)が施されています。
クオーターブローグは、セミブローグのメダリオンの装飾がないデザインのシューズをさします。
穴飾りが多いほど、カジュアルな印象が強くなり、フォーマルシーンには適しません。
よって結婚式においては、ブローキングシューズは避けたほうが無難です。
どうしてもブローキングシューズを結婚式で履きたい場合は、装飾性の少ないクオーターブローグを選びましょう。
ローファー
靴紐のないスリッポンタイプの靴で、脱ぎ履きがしやすいことから、「怠け者」の意味をもつ、ローファーと呼ばれています。
日本では、学生が履いているイメージがありますが、アメリカントラッドの伝統的なデザインで、アイビーファッションには欠かせないデザインです。
革靴の中では、最もカジュアルなデザインで、ジャケパン、ジーンズなどと好相性です。
したがって、結婚式をはじめとした、フォーマルシーンには不向きです。
ブーツ
ブーツは、安全靴、軍靴、雨長靴、カウボーイブーツなどがあり、このようなブーツ型の靴には、全くフォーマルな要素がありません。
カジュアルな印象になります。
したがって、革であっても、黒であっても、結婚式に履くことは、避けることが賢明だと思われます。
押さえておきたい靴下のマナー
スーツや靴と比較すると忘れてしまいがちですが、靴下のマナーも押さえておきましょう。結婚式で押さえておきたい靴下のマナーのポイントは以下の3つです。
・スーツの色に合わせるか黒を選ぶ
・柄は無地が基本
・くるぶしが見えないミドル丈を選ぶ
スーツの色に合わせるか黒を選ぶ
靴下の色は、スーツ(スラックス)の色に合わせることでスタイリッシュにまとまります。ゲストのスーツはネイビーやグレーなどダーク系カラーが基本なので、靴下の色もスーツに合わせて揃えると全身の見栄えがよくなります。
また、結婚式や披露宴に身に付ける靴下の色は黒が基本であるとされています。新たに用意するのが難しい場合や、色に悩んだ場合には、黒を選べば問題ありません。
柄は無地が基本
靴と同様に、靴下もシンプルなデザインのものを選びましょう。柄物の靴下はカジュアルな印象を与えるため、避けるのが無難です。
一方で、カジュアルなウエディングやテーマがある結婚式では、柄入りの靴下でも問題ない場合もあります。基本的には招待状の指示に従い、会場の雰囲気や、新郎・新婦の意向を優先しましょう。
くるぶしが見えないミドル丈を選ぶ
靴下の長さは、ミドル丈以上のものを選びましょう。披露宴で椅子に座ったときや、足を組んだときに素肌が見えてしまうのはNGです。そのため、膝下の長さの3/4程度以上あるものを選ぶとよいでしょう。
もしも、ふくらはぎの上までを覆えるようなロング丈のものがあれば、そちらを着用してみてください。
長時間着用することになるため、通気性が良く、消臭効果や防菌加工のされた靴下を選べば、より快適に過ごせます。素材はシルク、綿、ウールなどの混紡がおすすめです。
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結婚式の招待を受け、出席する服装の準備をする際、まずは礼服やスーツを準備して、それに合わせたコーディネートを考えると思います。
その際、忘れて欲しくないのが足元の靴です。
今回ご紹介した通り、結婚式に履く靴にはふさわしいデザインがあり、NGなデザインがあります。
新しく新調される予定がある場合には、「黒の内羽根ストレートチップ」がおすすめです。
最もフォーマル度が高く、見た目もスッキリとしており、上品な印象を演出できます。
また、結婚式のみならず、全てのフォーマルシーン、ビジネスシーン、就職活動など、すべてのシーンで履きこなせる靴であり、一足は持っておくべきシューズであるといえます。
結婚式に出席する立場、結婚式の形式、場所など、TPOに合わせたコーディネートを考えた上で、靴選びをしていきましょう。
また、前日までにシッカリお手入れをすることを忘れないようにしてください。
スーツセレクトは、北は北海道、南は沖縄、海外はThailandに約200店舗展開している、スーツショップです。
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