「大事な商談で、ジャケットのボタンを外すべきかどうかわからない」
「就活や結婚式でのスーツのボタンマナーがわからない…」
スーツ着用時に、ボタンの開け閉めについて悩んだ経験のある方も多いのではないでしょうか。
実は、ボタンの留め方はボタンの数やジャケットの種類、シチュエーションなどによってマナーが定められています。
本記事では、ボタンの開閉について迷わないための基本マナーや、綺麗なシルエットで着こなすボタンアレンジのコツ、着用するボタンの選び方などについて解説します。
ボタンマナーについて不安がある方はもちろんのこと、「なんとなくわかっているけれどより深く知りたい」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
スーツ着用時のボタンマナーの基本
ビジネスシーンをはじめ、結婚式やパーティなど、さまざまなシチュエーションにおいて「ボタンの留め方」は重要な着こなしのマナーといえます。
「ボタンの留め方ぐらい、あまり気にされないのではないか?」と思われるかもしれませんが、せっかくお気に入りの一着を着こなすなら、ボタンのマナーまでぜひ気を配りましょう。
ここでは、スーツ着用時におけるボタンのマナーの基本をご紹介します。
スーツの一番下、ベストの一番下のボタンは基本開ける
男性の場合、「アンボタンマナー」に則り、写真のようにジャケットの一番下のボタンは開けて着用することが基本です。ベストを着用している場合は、ベストの一番下のボタンを開けておくようにします。
アンボタンマナーとは?
「アンボタンマナー」とは、メンズスーツ着用時にジャケットの一番下のボタンを開けておくマナーのことです。一番下のボタンは実は飾り用のボタンであり、これは中世ヨーロッパのジャケットデザインに由来するといわれています。
スリーピースなどのベストの場合、中には下ボタンまで留めるタイプのものもありますが、装飾品としての役割のものであれば外して着用するようにしましょう。
女性はすべてのボタンを閉める
女性の場合、アンボタンマナーは適用されないことがほとんどです。
レディーススーツは、もともとボタンを留めて着用することを前提にデザインされています。そのため、ボタンを留めずに着用すると逆にだらしのない印象を与えてしまうことも。すっきりと上品なシルエットで着こなすために、女性の場合はすべてのボタンを閉めるようにしましょう。
ベスト着用時はジャケットのボタンは全て開ける
スリーピーススーツにおいてベストを着用する際は、ジャケットのボタンはすべて開けたまま着るのが基本です。
無理にジャケットのボタンを閉めてしまうと、着膨れして不恰好になってしまうことがあるため注意しましょう。座る時だけでなく、立っている時も変わらず開けておきます。
ただし、ボタンを閉めた方がかえってスッキリとして見える場合はその限りではありません。デザインによってだらしない雰囲気が出てしまう場合は、敢えて閉じても問題ないでしょう。
座る時にはボタンを外す
一般的なツーピースのジャケットを着用する際は、立っている時はボタンを留めるのが基本です。ただし、椅子に座る時にはボタンを外すようにしましょう。
これは、スーツを留めた状態のまま座ってしまうと、生地が寄ってしまいシワの原因となるためです。窮屈な印象になってしまわないよう、特に大切な商談時など、長時間座る予定がある場合はボタンを外しておくことをおすすめします。
シャツのボタンは上まで留めるのが基本
シャツのボタンは、上まで留めるのがマナーです。特にビジネスシーンや冠婚葬祭など、フォーマルなシチュエーションにおいては上品かつ清潔感のある着こなしが重要となります。
襟先のボタンを外しているとだらしのない印象を与えてしまうため、着崩れがおきないよう一番上まで留めておきましょう。
もちろん、カジュアルな着用シーンではその限りではありませんが、迷った場合は留めてしまえば間違いないでしょう。
【ジャケットの種類別】スーツボタンの留め方
基本のボタンマナーは先にお伝えした通りですが、ジャケットの種類やボタンの数によって留めるべきボタンの箇所は少々異なります。
ここでは、ジャケットの種類別に留め方の基本をご紹介します。
ジャケットの種類 | 特徴 |
シングル・2ボタン | 上を留める |
シングル・3ボタン | 上中を留める |
シングル・3ボタン(段返り) | 中のみ留める |
ダブル・4ボタン | 片側の上を留める |
ダブル・6ボタン | 片側の中のみ留める |
シングル・2ボタン:上のボタンのみ留める
シングルタイプでボタンが2つあるタイプのものは、おそらくもっとも着用シーンの多いジャケットでしょう。このタイプを着る時は、「アンボタンマナー」に則りジャケットの上のボタンのみを留めます。
下のボタンは飾りボタンなので、ジャケットの裾が適度に開くように開けたままにしておきましょう。こうすることで、すっきりとしたシルエットのまま着用できます。
シングル・3ボタン:上と真ん中のボタンを留める
シングルの3ボタンも考え方自体は同じですが、3ボタンには「2掛け」と「段返り」の2種類があります。
写真のように、ラペル部分がボタンの上部から折り返されている「2掛け」タイプの場合、アンボタンマナーに則り上と真ん中の2箇所のボタンを留めて、一番下を開けたままにして着用します。
シングル・3ボタン(段返り):真ん中のボタンのみ留める
シングルの3ボタンのなかでも、写真のように真ん中のボタンの途中からラペルが折り返されているものを「段返り」とよびます。
このようなタイプでは、下のボタンだけでなく一番上のボタンも開けて着用し、真ん中のボタンのみを留めるようにしましょう。
ダブル・4ボタン:片側の下を留める
ボタンが2列並んでいるタイプのジャケットを「ダブル(ダブルブレスト)」とよびます。4つボタンタイプの場合、片側の2つは装飾用で実際に留めることはできません。男性であればジャケットを着用して左側のボタン、女性であれば着用して右側のボタンが装飾用となっていることが多いです。
※上記画像はレディースのダブルのジャケットです。
基本の着こなしとしては、装飾でない側のボタン2つを留める「2つ掛け」または下のみを留める「1つ掛け」が一般的です。
また、装飾用ボタンとは別に、ジャケットの内部には着崩れを防止するための留めボタンが付いていることがあります。これはシルエットが崩れないよう固定するためのものなので、着用する際はしっかり留めておきましょう。
ダブル・6ボタン:片側の真ん中のボタンのみ留める
クラシックなイメージの6ボタンタイプは、片側と一番上のボタンは装飾用となっています。そのため、実際に留められるのは、片側の真ん中と下のみとなります。
シングルとは違って下のボタンを留めることも可能ですが、基本的には外しておいて「片側の真ん中のみを留める」スタイルが一般的になっています。
ダブル着用時は「下1つ掛け」でもOK
先述の通り、前提としてダブルタイプのジャケットは、シングルタイプのような「ボタンの開閉による着崩れ」は起こりづらいデザインとなっています。
そのため、「2つ掛け」の場合はすべてのボタンを留めてきっちり感を演出したり、敢えて1箇所のみを留めてこなれ感を出したりといったアレンジをしてみても良いでしょう。特に下のボタンのみを留める「下1つ掛け」で着用すれば、個性的でおしゃれな雰囲気にスタイリングできます。
【シーン別】TPOごとのスーツボタンマナー
ここからは、ビジネス以外のシーンにおけるボタンのマナーをご紹介します。基本的なマナーが変わることはありませんが、迷いがちな「結婚式・葬式(冠婚葬祭)」と「就活・リクルート」に分けて解説するので、参考にされてみてください。
結婚式・葬式(冠婚葬祭)
フォーマルシーンでの着用については、基本的には先にご紹介したビジネスシーンと同様のポイントに気をつければ問題ありません。結婚式で着用する礼服や、お葬式で身に付ける喪服についても同様です。
結婚式でスリーピースのベストを着用する際は、ジャケットのボタンは外しておくと良いでしょう。お葬式では基本的にベストを着用せずに、ジャケットのみの着用となります。
就活・リクルート
就活やリクルートにおいても、ボタン開閉のマナーが変わることはありません。ただし、通常の着こなしよりも、さらにきちんと感や誠実な印象を与えることがポイントになります。
例えば、立っている時にはボタンを必ず留めるようにしましょう。また、特段ファッションにこだわるような業界にエントリーする場合でない限り、こなれ感や個性的なアレンジも控えた方が無難です。
着用するスーツのボタンの選び方・注意点
スーツ選びの際、ボタンの色や種類でお悩みの方もいるかもしれません。ここでは、着用するスーツのボタンの選び方や注意しておきたいマナーについてご紹介します。
Q.ジャケットやシャツの有色ボタンはマナー上問題ない?
A.ジャケットやシャツの中には有色ボタンを使用しているタイプのものもありますが、フォーマルな場や重要なビジネスシーンでは好まれない印象があります。着用したい場合は、カジュアルシーンやプライベートなどで着用することをおすすめします。
Q.ジャケットの袖ボタンの数や、デザインについて気をつけることは?
A.袖ボタンの数にこれといったマナーや正解はなく、基本的には自分の好みのものを選んでも、問題ありません。また、レディーススーツをはじめ、なかには袖がノーボタンのタイプのジャケットも存在します。
ノーボタンや、ボタンの数が少ないタイプは、印象としてはややカジュアルなイメージを与えるようです。ビジネスシーンにおいては、3個または4個が基本のスタイルとなっているため、数に悩んだ場合はいずれかのタイプを選べば失敗が少ないでしょう。
また一般的な袖ボタンは、隣接しているものが多いのですが、重なりあっているデザインのものも存在します。
これは袖ボタンを装飾として強調される際に、用いられる場合に多く見られます。
基本的には生地と同系色のボタンを選ぶ
プライベートやカジュアルシーン以外で着用の予定がある時は、基本的に同系色のボタンを選ぶことをおすすめします。とはいえ、一般的には生地と同色のボタンやダーク系のものが使用されていることがほとんどなので、市場に出回っている既製品を選ぶ場合は気にしすぎる必要はないでしょう。
お困りの場合は、着用シーンとあわせて店員さんに相談してみるのもおすすめです。
スーツのボタンに関するよくある質問と回答
最後に、スーツのボタンに関するよくある質問と回答をご紹介します。
Q.袖ボタンがついている理由は?
Q.女性用スーツも一番下のボタンを外しますか?
Q.ボタンのない「ノーカラージャケット」はマナー違反ですか?
【番外編】
Q.ボタンダウンシャツとは?
それぞれ詳しく解説します。
Q.袖ボタンがついている理由は?
「かつて手袋の着脱に用いていた」「ヨーロッパでは出身地によって数を分けていた」「鼻水を袖で拭けないようにするためにつけられた」といったように、ジャケットの袖ボタンの由来には諸説あります。
ただし、現在では装飾として定着しているため、理由があって付いているというよりは、単なるデザインになります。
Q.女性用スーツも一番下のボタンを外しますか?
先にご紹介した通り、レディーススーツはすべてのボタンを留めることを前提にデザインされています。そのため、一番下のボタンを外す必要はありません。かえって着崩れを起こす原因となりかねないため、すべてのボタンを留めるようにしましょう。
Q.ボタンのない「ノーカラージャケット」はマナー違反ですか?
ボタンが1つもない「ノーカラージャケット」は、都会的で洗練された着こなしができるアイテムです。ただしカジュアルすぎる印象を持たれやすいため、ビジネスシーンにおいてはTPOを考えて着用することをオススメします。
Q.ボタンダウンシャツとは?
ボタンダウンシャツとは、襟の先端にボタンが付いているタイプのシャツのことです。このボタンで襟と身頃を固定できるため、きっちりとした着こなしが可能です。
また襟立ちが綺麗なため、ネクタイを外したノータイスタイルにも最適なシャツです。
ボタンダウンシャツを着用する場合は、襟先のボタンまで必ず留めるようにしましょう。
スーツのボタンタイプ・着用マナーに迷ったらスーツセレクトでご相談を
スーツのボタンについて、種類やTPOごとのマナー、着こなしのポイントなどをご紹介しました。スーツの着こなしには、ルール/マナーが多く難しいように感じてしまうかもしれませんが、基本さえ押さえてしまえばさまざまなアレンジや着こなしを楽しめるようになります。
もしも、ボタンについて分からないことがある場合は、店舗でプロのスタッフに相談してみるのもおすすめです。
スーツセレクトでは、多彩なタイプのスーツを幅広く取り揃えています。ボタンについてのご相談はもちろん、スーツ全般のお悩みや、着こなしのアドバイスなどもしっかりサポートさせていただきます。
ぜひお近くの店舗に立ち寄り、気になる一着を実際に手に取ってみてください。また、公式通販サイトのご利用も心よりお待ちしています。
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