「オーダースーツの生地選びは難しい」の定説を覆します。SUIT SELECT AIスピードオーダーの生地選びは超カンタン!!!!スーツ販売歴15年の生地博士が誰も知らない凄いコツを伝授します!!!!
1.現代のオーダースーツ生地選びに問題提議します!!!!
オーダースーツの生地選びって本当に難しいですよね?
オーダースーツ屋さんでいきなり大量の生地バンチを出されて、量の多さにビックリしたことは有りませんか?
ゼニア・ロロピアーナ・チェルッティ・グアベロ・ドラゴ・カノニコ・レダ・トレーニョ・マルゾット・アンジェリコ・テーラー&ロッジ・フォックス ブラザーズ・アルフレッド ブラウン・フィンテックス オブ ロンドン・ジョン フォスター・ムーン・Wビル・マーチンソン・ウイリアム ハルステッド・・・挙げたらきりがありません。
よく「生地の種類が何千種類ある!!!!」を売りにしているオーダー屋さんがありますが、全ての生地を見比べるのは至難の技です。
第一に生地バンチのあんなに小さな生地片から本来の生地の特徴を把握するのは難しいですよね?正直、我々プロでも難しいです。
大量の生地バンチからお気に入りの一着を選ぶ行為はビギナーの方ならまさに“賭け”です。
微妙な違いはわからないし、何よりもメチャクチャ時間がかかります。
下手に店員さんにアドバイスを求めると高い生地ばかり薦められるし・・・・。
出来れば納得出来る生地を自分の力で探し出したいですよね?
でもビギナーだと本当に自分が欲しいオーダースーツ生地を見つけ出すことは難しいです。
2.自己紹介!!!!
こんにちは。
スーツセレクトでAIスピードオーダーのマーケティング担当をしています丘野と申します。
私はスーツ好きが高じて長年に渡り既製スーツとオーダースーツを販売してまいりました。
約15年になります。
幸運なことに販売だけではなく、生地の発注にも携わる機会が多くありました。
ですので今回のテーマである「オーダースーツ生地選び」には絶対的な自信があります!!!!
社内でも“世界の生地博士”と呼ばれています。
特にインポート生地にメチャクチャ詳しいと自負しております。
一般の皆様にはオーダースーツの生地選びって難しいイメージがあると思いますが・・・・
実はオーダースーツの生地選びってコツさえ理解すれば凄く簡単なんです!!!!
3.読んでほしい方!!!!
今回の記事は神回です!!!!そして超有料級です!!!!
建て付けはビギナー用の内容ですが、オーダースーツ生地マニアの方が見ても新しい発見があると思います。
それと、今回は生地メーカーの歴史や製品特徴はあえて言及していません。
ネット上にいくらでも情報はありますよね?
そしてブランドネームはビギナーに先入観を植え付け、オーダースーツ生地選びに“迷い”を生じさせる可能性があります。
4.昨今の消費者
現代の消費者が求めるものは大きく変わりました。
「出来るだけ“コスパの高い”お買い物を、“短時間”で“安全”に“タイムリー”に実現したい!!!!」
これこそが今、求められているものです。
でも従来のオーダースーツのイメージは真逆。
「価格が高い」「拘束時間が長い」「仕上がりを待たされる」。
私はとにかくお買い物が1秒でも短時間で済むように意識しています!!!!
一番無駄なのは何の手がかりもないままオーダースーツ生地選びに迷う時間です。
だから最初の段階で生地選びのコツを、お伝えするようにしています。
生地選びが短時間で済んで、生地選びを絶対に間違えないとっておきのコツを!!!!
最近は若い方を中心に初めてオーダースーツにチャレンジされる方が非常に増えています。
皆様、最初は不安そうな表情をされていますが、一旦コツをお伝えすると本当に楽しそうに生地選びに没頭されます。そしてすぐにお気に入りを見つけ出します!!!!
実は私が伝授する“凄いコツ”を理解すればオーダースーツ生地選びだけではなく、スーツデザインの選び方からワイシャツ・ネクタイ・シューズの選び方、はたまたドレスファッションの基本まで全てわかっちゃいます!!!!
我ながら必見の内容です!!!!
是非、最後まで読んでください!!!!
5.いきなり種明かし!!!!
実は生地生産国のカルチャーを理解出来れば、生地の特徴をを大きな括りで捉えることが出来ます。そうすると大きな選択ミスが無くなります。
少しだけ例え話にお付き合いください。
我々日本人にとって身近な「お米」での例え話です。
ちなみに読者の皆様はゴハン派ですか?それともパン派ですか?
私は日本人ですがパン派です。
もし日本の「名高いブランド米」を食べ比べる機会があったとしましょう。
秋田・山形・岩手・新潟等々。
そんな贅沢なシチュエーションはないと思いますが・・・・。
恥ずかしながら私は“違い”を語ることは出来ないでしょう。たぶん炊き立てなら何でも「おいしい」と言うはずです!!!!生産者の方々、産地の方々がご覧になられていたら本当にごめんなさい。
皆様はいかがですか?
でもこんな私でも日本米・タイ米・カリフォルニア米の違いはわかります(たぶん)。
実はオーダースーツ生地の選び方のコツはここにあります!!!!
(え!? どこ!? どこ!?)
例え話2つ目。
コスパの高いイタリア生地として日本でもポピュラーな「カノニコ」と「レダ」の違いを説明出来ますか?やっぱりビギナーには難しいですよね?
でも「カノニコ」と「ハリスツイード」ならわかりますよね?わからなかったら・・・
実はこの違いを生み出しているのは、その生地産地の「文化」です。お米もオーダースーツ生地も一緒。
今回は我がAI スピードオーダー・マーケティング部門の期待の大型新人“裕樹くん”と一緒にイギリスとイタリアの文化の違いを通じて、オーダースーツの生地選びのコツを勉強して行きましょう!!!!
そして驚くことにそれぞれの国の文化を理解出来れば両国のファッションの特徴が全てが分かってしまいます!!!!
その国のファッションの傾向・好まれる色柄の違い・スーツデザイン特徴・その国で作られる靴の製法の特徴等々・・・・・。
絶対にビックリしますよ!!!!
6.イギリスとイタリア
丘野
「裕樹くん、メンズファッションの中心地ってどこだと思いますか?」
裕樹くん
「えっ、やっぱりパリとかニューヨークですか?」
丘野
「たしかにそう思いますよね。実はメンズの“ファッションキャピタル”と言えばイギリスとイタリアです。
特にドレスファッションにおいてはこの2つの国を語らないわけには行きません。カジュアルファッションやレディースファッションだとフランスやアメリカ等が入って来ます。
メンズドレスファッション界の2大巨頭イギリスとイタリア。
今回の話の中心となるスーツはブリティッシュスタイルとイタリアンスタイルに大きく大別されます。」
裕樹くん
「へぇ、そうなんですね。本当に勉強になります。」
丘野
「だから必然的にオーダースーツ生地も英国生地とイタリア生地がメインになります。フランス生地やアメリカ生地ってあまり聞いたことありませんよね?
世界三大生地産地はイギリスのハッダースフィールド・イタリアのビエラ・日本の尾州です。
意外かも知れませんが日本の尾州産生地は世界的に有名で、高級メゾンも注視しています。手前味噌ですが我々SUIT SELECTの“4S”生地も少しずつ注目を集めています。
実はファッションはその国の国民性と大きく結びつきます。
そしてその国の国民性は気候・食文化・考え方・身体的特徴等に大きく関係します。
我々日本人にとってはイギリスもイタリアも同じヨーロッパの国々ですよね。
でも実際には国民性は全く異なります。
実はココがポイント。
先ずはこの2つの国の違いにフォーカスしましょう!!!!」
裕樹くん
「ご教授、宜しくお願い致します。」
6-①イギリス人とイタリア人の体格
丘野
「裕樹くん、突然ですがイギリス人と言えば誰を思い浮かべますか?」
裕樹くん
「イギリス人???誰だろう?
ベッカム?チャールズ皇太子?ジェームスボンド?ビートルズのメンバー?」
丘野
「そうそう、いい感じですね。今回は出来れば大柄なアングロサクソンをイメージして下さい。サッカープレミアリーグのセンターバックをイメージしましょう。身長190㎝・体重90㎏の筋肉隆々の猛者!!!!表情も闘争心に満ち溢れています!!!!名前は仮にジェイソンとしておきましょう。」
裕樹くん
「サッカー、あまり興味がないんですけど・・・。とりあえずゴツい人のイメージは持てました。」
丘野
「有難うございます。ではイタリア人と言えば誰を思い浮かべますか?」
裕樹くん
「うーん、イタリア人ってパッと出て来ないな・・・・ジローラモさん?バッジョ?デルピエロ?トッティ?」
丘野
「サッカー選手ばかりですね・・・。今回は身長175㎝・体重57㎏の細身でセクシーな“ちょい悪オヤジ”をイメージしてください。例えば石田純一さんの様な爽やかで優しそう、でもやんちゃな伊達男です。名前はマルコ。靴下は履いていません!!!!
話は変わりますが、イタリア人男性と日本人男性の平均身長ってあまり変わらないらしいです。
私が実際にイタリアを訪れた時も大柄で目立っていたのは英国系・東欧系の方ばかりでした。我々にとって同じヨーロッパの人々でも国によって体格は驚くほど違います。」
裕樹くん
「へぇ、そうなんですね。とりあえずイメージ出来ました。
イギリス人代表の身長190㎝・体重90㎏のジェイソンさんと、イタリア代表の身長175㎝・体重57㎏のマルコさんですね。大人と子供くらいの差がありますね。」
6-②イギリス人とイタリア人の体格
丘野
「裕樹くんは中学校の地理の時間に世界各国の気候の勉強をしたのを覚えていますか?」
裕樹くん
「う~ん、全く覚えていません!!!!」
丘野
「だと思いました。それでは童心に帰って勉強してみましょう。イギリスは西岸海洋性気候ですよね。1年間を通じて雨が多く、日照時間が短く、1日の中でも天気の変動が割と厳しい地域です。ザッと急に雨が降って来ます。
イギリスはジューンブライド発祥の地とも言われています。年間で雨のもっとも少ない6月に結婚すると幸せになれると言われています。」
裕樹くん
「へぇー、ジューンブライドってそういう意味があったんですね。スーツとロック、そしてサッカーの国。超興味あります!!!!」
丘野
「次にイタリアですが、イタリアは地中海性気候です。基本的に温暖で雨も少ない地域。ミラノ・ローマ・フィレンツェの観光地を想像して下さい。軽快に石畳を歩くイメージです!!!!」
裕樹くん
「いいですねイタリア!!!!行ってみたいな!!!!でもあらためて考えると同じヨーロッパでも全く違う気候なんですね。」
6-③イギリス人とイタリア人の気質
丘野
「裕樹くんは目の前に“絶世の美女”がいたらどうしますか?」
裕樹くん
「何を言い出すんですか?どうするもこうするもありませんよ。何もしません。こう見えても妻帯者ですから!!!!」
丘野
「ですよね。でもイタリア人のマルコならどうすると思いますか?」
裕樹くん
「やっぱり伊達男マルコは軽妙な語り口でナンパするんじゃないですか?」
丘野
「そんなこと言ったらイタリアの方に怒られますよ!でも、多分やってくれます!!!!イタリア男はその一瞬にベストを捧げます!!!!その一瞬一瞬を大切に生きるラテン男子だったらかなりの確率でこのチャンスを逃さずナンパするはずです。
だって1秒後には死んでいるかもしれないし、二度とその美女と会えないかも知れないから・・・・。
(※イタリアの方が全員そうではないですが・・・)
とにかくイタリア男はその一瞬にベストを捧げます!!!!
我々シャイな日本人男性の憧れですよね。だからイタリア男は一瞬で女性を虜にするためにとにかく見た目を気にします。
自分の体をもっとも引き立てるデザイン・最新トレンドのアイテムが大好物です。ちょっと脱線しましたが・・・・
逆に絶世の美女を前にイギリスの方はどうすると思いますか?」
裕樹くん
「イギリスの方はナンパするイメージはないな・・・・きっと紳士的にエスコートをするんじゃないですか?」
丘野
「私もそう思います。」
裕樹くん
「たしかに190㎝・90㎏のジェイソンがナンパして来たらビビりますよね!!!!」
丘野
「当然イギリスにも様々な性格の方がいらっしゃるとは思いますが・・・。
実はイギリス人と日本人には似ているところがあります。
イギリスは日本と同じ島国なので“限られた資源を大切にしよう”という意識が高いらしいです。」
裕樹くん
「へぇー。たしかにイギリスも同じ島国ですね。島国根性ですね!!!!」
岡野
「それでは洋服の話に入りましょう。イギリスでは所謂ビスポーク、カスタムオーダースーツが主流です。当然イタリアでもス・ミズーラ等のオーダーは人気がありますが、それ以上に最新トレンドを手軽に素早く手に入れられるプレタポルテ(既製服)が人気です。今一番カッコイイスタイルを今すぐに着たい!!!!長く着ることはあんまり重要とは考えないようです。」
裕樹くん
「へぇー」
丘野
「逆にイギリスでは一つのスーツを長く着る習慣があります。
二世代に渡りスーツを受け継ぐことも良くあるそうです。
そのためジャケットの袖の仕様も独特です。
当然ボタンが外せる本切羽仕様です。ただし袖ボタンの一番上をフェイクにします。体が自分より大きくなるだろう息子のために袖を長く調整出来るようにする方が多いそうです。
スタイルも流行り廃りのない王道のブリティッシュスタイルです。」
6−④イギリスとイタリアの食文化
丘野
「裕樹くん、今日の夕食、ブリティッシュにしませんか?おごりますよ?」
裕樹くん
「は、はい?ブリティッシュパブですか?私、お酒飲まないんですが・・・。」
丘野
「いえいえ。お酒ではなくて食事のお誘いですよ。ではイタリアンにしましょうか?」
裕樹くん
「あっ、いいですね!!!!イタリアン大好きです!!!!パスタ・ピッツァ最高!!!!」
丘野
「私もイタリアン大好きです!!!!でも今、気付きましたか?食文化におけるブリティッシュとイタリアンのイメージの違いを?
面白いことに『今日はイタ飯にしよう!』とは言いますが、『今日はブリ飯にしよう!』とは言いませんよね?
イギリス料理と言えばフィッシュアンドチップスくらいしか思い浮かばないのではないでしょうか?そしてイギリスの食事に関しての良い評判ってあんまり聞かないですよね?
(イギリスの方、いらっしゃったら本当にごめんなさい。)
イタリア料理は言わずもがなですよね。」
丘野
「裕樹くん、突然ですが目の前に牛が一頭いたら、どうやって食べますか?」
裕樹くん
「?????何をいきなり言い出すんですか?」
丘野
「裕樹くん、これは超大事な話です!!!!真剣に聞いて下さい!!!!」
裕樹くん
「か、かしこまりました。」
丘野
「イタリア人は牛が一頭いたら一番旬で美味しいタイミングで食します。
だから一番肉が柔らかい子牛のうちに食べます。食べられる量は少なくても大丈夫。とにかく味が命です!!!!」
裕樹くん
「一瞬一瞬を大事にするイタリア人らしいですね。」
丘野
「逆にイギリス人は一番大きくなるまで待ちます。
大きな体を支えるためにはたくさん食べなければなりません。大人の牛。多少肉が固くなっても、パサついていてもOK。味は二の次です。」
裕樹くん
「たしかに島国で限られたリソースで生活するのでそうなりますよね。
食事の味がイタリアより劣るのは必然ですね。」
6−⑤イギリスとイタリア 靴の製法の違い
丘野
「裕樹くんは靴好きですよね?」
裕樹くん
「はい。英国靴命です。クロケット&ジョーンズやトリッカーズが大好きです!!!!」
丘野
「英国靴の特徴は何ですか?」
裕樹くん
「流行り廃りのないクラシックなフォルム!!!!少しづつ足に馴染むグッドイヤーウェルト製法!!!!エイジングさせて自分だけの一足にするのが楽しいんです!!!!」
丘野
「でも履き始めは足が痛くないですか?固いし、重いし・・・・。」
裕樹くん
「何を言っているんですか岡野さん!!!!履き慣らすのが楽しいんですよ!!!!
岡野さんはチャラいイタリア靴が好きですもんね。」
丘野
「チャラい?裕樹くんはわかってないなイタリア靴の良さを。
イタリア靴にはイタリア人男性のソウルが詰まっています!
この尊いイタリア靴の素晴らしさをどうしても裕樹くんに伝えたいな!
しょうがないから英国靴とイタリア靴がなぜこれだけ違うか教えてあげますよ!!!!」
裕樹くん
「お願いします。
でも丘野さん自身も、イタリア靴も絶対にチャラいですよ!!!!
絶対に私とイギリス靴の方が硬派です!!!!
私、こう見えても靴に関しては一家言持ってますのでちょっとやそっとでは納得しませんからね!!!!」
6−⑥イギリスとイタリア 伏線回収
丘野
「実はこれからお話する“靴の話”が“オーダースーツ生地選び”に大きく関わって来ます。」
裕樹くん
「本当ですか?信じられないですけど、とりあえず聞いておきますね。」
丘野
「実は食用牛の副産物の皮が靴や革製品の材料になります。
イタリアで食べられた子牛の副産物はキメの細かい柔らかい皮。
すなわちカーフと言われる最高級の革となります。
成牛革と比べると耐久性は落ちますが、薄く、柔らかく、体馴染みが早く、デザイン成型しやすい、ファッションアイテムに最適の素材になります。
必然的にイタリア靴はこの柔らかいカーフが主原料になります。
またカーフは柔らかく履き慣らす必要がないため、履いた瞬間から快適な履き心地を求めるイタリア人にはピッタリです。
そしてデザイン成型がしやすいのでファッション性の高いシューズ製作が可能です。」
裕樹くん
「フムフム。イタリア人の特性にピッタリですね。」
丘野
「ちょっと納得してきたでしょう?」
裕樹くん
「フンッ まだまだ納得してませんよ!!!!」
丘野
「じゃあ裕樹くん、イタリア靴の製法って何が主流ですか?」
裕樹くん
「えっ、マッケイ製法ですよ。当たり前じゃないですか!」
丘野
「ではマッケイ製法のメリット・デメリットを挙げて下さい。」
裕樹くん
「そんなの簡単ですよ。
マッケイ製法の[メリット]は
①構造上、圧倒的に軽く、軽快な履き着心地。
②構造上、足馴染みが良く、履き慣らしが不要。履いた瞬間から履き着心地が良い。
③構造上、デザイン成型がしやすくグラマラスなフォルムが再現出来る。
①構造上、ソールの張り替えが数回しか出来ない。
②構造上、強い荷重や荒地の歩行に向かない。
③構造上、雨に弱い。
こんな感じでどうですか?」
丘野
「完璧です!完璧な説明ですよ、裕樹くん!カーフの特性とマッケイ製法の特性を融合させると完璧にイタリア人の特性とマッチすると思いませんか?
その一瞬一瞬を大事にするイタリア人。
ポイントは履き心地重視!!!!デザイン重視!!!!」
裕樹くん
「おお、たしかに・・・。」
丘野
「そしてこれらは全てイタリアの気候・イタリア人の体格にも完璧にリンクします!!!!雨の少ない地中海性気候、日本人と変わらない体格・・・。」
裕樹くん
「おおお、たしかに・・・。」
丘野
「今度はイギリスです。大きくなるまで育てられ食べられた成牛の厚い、頑丈な革が残されたイギリス。必然的に成牛革ステアが靴作りの主流になります。
ステアはとにかく耐久性が売りです。
そしてイギリスではマッケイ製法と対極に当たるグッドイヤーウエルト製法が主流です。
グッドイヤーウェルト製法の[メリット]は
①構造上、とにかく丈夫。大柄な体を支えるための耐久性を持ち合わせている。
②構造上、何度もソールを張り替えられる。長く履くためにピッタリ。
③構造上、雨に強い。水が侵入しにくい構造。
長く履くために革も必然的に丈夫なステアが相応しくなります。
①構造上、重い。
②構造上、履き始めは固くて履きにくい。
③構造上、デザインの幅が限定される。
これらを聞いて何か感じませんか?」
裕樹くん
「雨が多い気候、大柄な体格、おおおお、全てがリンクする!!!!」
丘野
「イギリス靴のポイントは耐久性重視!!!!伝統重視!!!!」
裕樹くん
「イタリア靴とは真逆ですね。履き心地重視・デザイン重視のイタリア靴。
耐久性重視・伝統重視のイギリス靴。」
丘野
「イタリア靴はチャラいのではなく、文化的な背景をもとに必然的にこの様なデザイン・仕様になっていることが理解出来たかな?」
裕樹くん
「納得です。丘野さんはファッション界の神ですね。あれっでも丘野さん、今回は靴の話ではなくってオーダースーツ生地の選び方のコツの話ですよね?話がおかしな方向に行ってません?」
丘野
「大丈夫です!実は靴と生地は繋がっています!
靴はファッションの中で最も重要なアイテムと言われています。
“ファッションは足元から”、 “足元を見る”という言葉はご存知かと思います。
実はその国の“靴の有り様”がその国の“ファッションの有り様”を定義付けます!!!!」
裕樹くん
「まだ理解出来ません。(熱くなっている時の丘野さんの話ってポイントが分かりにくいんだよな・・・・)」
丘野
「ではもう一度世界的なドレス靴産地の特徴を復習しましょう。
イギリス靴
①耐久性重視。
②伝統重視。
イタリア靴
①履き心地重視。
②デザイン重視。
アメリカ靴
①多民族が履くことが出来る汎用性の高いフォルム。
②歩きやすさを優先した作り。高いトゥスプリング等。
③合理性重視。脱ぎ履きしやすいデザイン。ローファー等。
日本靴
①英米伊のいいとこ取り。
②安全性に対する消費者の要求が厳しいため、品質基準が高い。
③ラバーソールの需要が高い。梅雨・地形・歩行距離・通勤手段が要因と言われる。
スペイン靴
①マジョルカ島のブランドを中心に英国的グッドイヤーウェルトが多い。
②トレンドと伝統の絶妙な融合。ラテン的なセクシーなデザインも多い。
③コスパが高い。適度なリラックス感がある。
どの国も国民性と完璧にマッチしますよね。」
裕樹くん
「おっしゃる通りですね。でも、靴の話は分かりましたからオーダースーツ生地の話をしてくださいよ!!!!」
7.This is what I wanna tell you!!!!
丘野
「まあまあ、裕樹くん焦らないで。いよいよオーダースーツ生地の話に入りますね。
では一旦、今回の話の主題であるイタリア生地とイギリス生地の特徴をメリット・デメリットという形で細かく挙げて見ますね。
イタリア生地
[メリット]
①軽さ・柔らかさによる圧倒的な着心地の良さ。
②柔らかさにより体に馴染み安い。
③柔らかいドレープの効いた生地により体のラインが綺麗に出る。
④最新トレンドを加味したデザイン。
⑤天才的な色彩感覚。
⑥アーティスティックな色柄。
[デメリット]
①シワになりやすい。着心地重視のタテ双糸・ヨコ単糸が多い。
②繊細な生地が多く湿気の影響を多少受けやすい。
③色柄・素材選びで流行り廃りの影響を若干受けやすい。
イギリス生地
[メリット]
①圧倒的な耐久性。
②長く使える。
③シワになりにくい。手入れが楽。
④シッとしたキレのあるシルエット。
⑤味のある素朴な色柄
[デメリット]
①素材感が固い。
②重い。
③体に馴染むまでに時間がかかる。
④シルエットが固い。
⑤色柄は微妙なものも多い。古臭いパターン・パンチの効いた発色・セオリー無視の配色。
大体こんな感じです。」
裕樹くん
「流石は生地博士。オーダースーツ生地の知識は流石ですね。両国は生地の特徴も全く異なるんですね!!!!」
丘野
「そうなんです。双方ともメリット・デメリットはありますがまとめるとズバリこの2つの特徴に集約されます!!!!
イタリア生地
①着心地重視
②デザイン重視
イギリス生地
①耐久性重視
②伝統重視
裕樹くん、何か気付きましたか?」
裕樹くん
「あっ 靴の特徴と全く同じだ!!!!」
丘野
「そうなんです。だからオーダースーツ生地選びに迷ったらマルコとジェイソンのことを思い出して欲しいんです!!!!」
裕樹くん
「うーん、想像上の人物なんで思い出しにくいですが、頑張ってイメージしてみます!!!!」
丘野
「頑張らなくても大丈夫。例えばイタリア生地のオーダースーツ生地バンチで迷っている時には何となーくでよいのでイタリアの気候を思い出してください。
雨が少ない温暖な気候!!!!イタリアの人々の生活している様をイメージしてください。体格や一瞬一瞬を大事にする様を!!!!
イタリアの人々の食生活を思い出してください。美味しいものを美味しいうちに食べる!!!!靴好きの方ならイタリア靴を思い出してください。履き心地・デザイン重視!!!!
何となく特徴がイメージ出来ませんか?
イタリアの方が求める物を・・・・着心地重視!!!!デザイン重視!!!!
もしイギリスのオーダースーツ生地バンチで迷っている時はイギリスの気候、イギリスの人々の思考・体格・食生活、そして靴を思い出してください。
そしたらイギリスの方が求める物がイメージ出来ます。
耐久性重視!!!!伝統重視!!!!」
裕樹くん
「ウォー!!!!完璧に納得しました!!!!これで迷わずにオーダースーツ生地を選べます!!!!」
8.結論、何買ったらいいの?
裕樹くん
「丘野さん、実際、オーダースーツ用生地としてイタリア生地とイギリス生地のどっちの方が良いのですか?」
丘野
「多少、好みがあるとは思いますが、カスタムオーダースーツ用の生地ならイギリス生地を。パターンオーダースーツ用の生地なら絶対にイタリア生地をお薦め致します!!!!
何故かと言うとパターンオーダーは生地がお客様に歩み寄ると更に力を発揮するからです。
スーツを購入する形態には大きく3つあります。
以下の内容を比較してください。
既製服
①お客様の体を既製のデザインに合わせるイメージ。[お客様⇒デザイン]
②ピッタリ合えば絶対にお得。
③それなりの補正効果も有る。
パターンオーダー
①洋服のデザインをお客様の体に合わせるイメージ。[デザイン⇒お客様]
②完成された型紙をベースにしているのでお客様の体を最もスタイリッシュに見せることが出来る。
③たくさんのサンプルゲージがあるので補正効果をベストな次元で発揮出来る。
④馴染みやすい柔らかい生地の方が特徴を活かせる。
カスタムオーダー
①お客様の体がそのままスーツになるイメージ。[お客様⇒お客様]
②プロポーションに自信のある方は絶対にカスタムオーダーがお薦め。
③作り手の技量・センスによるところが大。
④体に合わせたカッティングをキッチリ活かすならハードなイギリス生地が好相性。」
裕樹くん
「なるほど、ビギナーにはパターンオーダーが良さそうですね。そして生地はイタリア生地がいいんですね!!!!」
丘野
「その通り。それじゃ、せっかくだからスーツセレクトのAIスピードオーダーの生地バリエを紹介させてください!!!!」
裕樹くん
「なんだ、やっぱり最後は宣伝か・・・・。」
丘野
「裕樹くん、ちがう、ちがう。スーツセレクトのAIスピードオーダーの品揃えはユーザーを迷わせないために絶妙のラインナップになっています。
生地選びで迷ってこちらのコンテンツを見に来られた方には紹介せずにはいられません!!!!絶対に喜んでもらえる自信があります!!!!」
裕樹くん
「しょうがないな・・・・。じゃ、お願いします。」
9.AIスピードオーダーの生地バリエの凄さ!!!!
丘野
「正直、生地問屋さんが出自のオーダースーツ屋さんには“数”では敵いません。
「ビギナーでも迷わずにベストの生地に短時間で辿り着ける」これが我々のコンセプトです。
そして以下の3つを特に留意しています。
①生地選びに時間がかからない、迷わせない生地。
②間違いようのない正解だけの厳選生地。
③でも実は他では絶対手に入らない生地。
ただしファッションピーポーの皆様にもご満足いただけるように弊社生地バイヤーが他所では絶対に手に入らないスペシャルな素材も手配しています。
品揃えは随時変わりますが、下記が代表的な物です。
①4S
ニューノーマルを体現した生地シリーズ。世界的な合繊メーカーTPF社のトップアスリート用マイクロファイバーを使用した最高機能素材。スーパーノーアイロン・ストレッチ・ソフト・スリムの4つのSに加えシーズンレス・サステイナビリティという現代のキーワードにもマッチしたベストセラー。是非体感して欲しい。
②ニュージーランドウール ミックス
従来のオーストラリア産と比較して、原毛の純白度・柔らかさ・弾力性に優れた「ニュージーランドウール」と強度の高い「マイクロファイバー」をミックスしたハイブリット素材
③メリノウール ミックス
ハイクオリティな「オーストラリア メリノ」と強度の高い「マイクロファイバー」をミックスしたハイブリット素材
④ニュージーランドウール
世界的に見て希少性の高いニュージーランドウールをニュージーランド政府と弊社との直接の取組みで確保。夢のスーツ素材を遂にオーダー生地化に成功。
⑤カノニコ
ほぼ全ての有名セレクトショップ・ブランドショップ等で取り扱われる定番イタリア生地。経糸・緯糸双糸使いを基本にした高温多湿な悪条件でも仕立て映えする信頼出来る品質。
⑥エルメネジルド・ゼニア
数々のイタリア生地の中でも別格と称される世界最高峰の生地メーカー。地球上で手に入る最高のウールは必ずゼニアの手中に。パターンオーダーで82,500円(海外縫製)/86,900円(国内縫製)は安過ぎ!?
丘野
「最後までお付き合いいただきまして有難うございました!!!!
イギリスやイタリアの方々対して、失礼な表現がありましたらお詫び申しあげます。大変申し訳ございません。
ただし、私は大のスーツ好きとして両国を超リスペクトしています。イギリスもイタリアも大好きです!!!!」
裕樹くん
「ボクもイタリア靴や丘野さんのことをチャラいと言いましたが、背景を知り、考えが変わりました。今はイタリア靴も丘野さんも大好きです!!!!」
丘野・裕樹くん
「それでは店舗でお待ちしておりまーす!!!!」
※文章中の価格は全て税込で表記しております。
※文章内の発言は個人的意見です。弊社を代表する意見ではございません。
※筆者の独自の取材を元にした内容となっていますが、主観を元に書かれています。
※筆者の主観により一部誤解を招く可能性のある表現が含まれていますがご容赦ください。
※古い解釈による記述が多く、現代の状況と異なる内容も含まれています。
例. 現在ではイギリス靴でもカーフは多用されています。